春の七草はポピュラーなので、言える人は少なくはないでしょう。秋の花を調べていると秋にも七草のあることを知りました。【本記事はアフィリエイト・プロモーションを含みます】 プロのアレンジを楽しめる【Bloomee LIFE】
秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウの7つ)は万葉集で山上憶良の一首そのまま。なぜ、令和の時代まで大切に伝承されてきているのか? なぞです。
現代にも伝承されているけれど、生活に身近になってはいない、ってどういうこと?
秋の七草は鑑賞する花ではなく、薬用として利用されてきた花花です。今回は秋の七草について調べてゆきますね。
目次
ナデシコって日本特有の花なんでしょうか?
ナデシコと聞くと「大和撫子」を思い出します。”なでしこジャパン”と日本女子サッカーチームを呼ぶ言葉。
なので、日本固有の植物なんだろうな?と思いながら調べました。
ナデシコは北半球に300種自生分布しています。なので、日本だけのナデシコではありません。
日本固有種としては、ヒメハマナデシコとシナノナデシコの2種があります。固有種ではないナデシコが日本にはあって、カワラナデシコとハマナデシコの2つです。
もしかすると、ヒメハマナデシコとシナノナデシコのことを山上憶良は撫子と詠ったのかもしれません。
秋の七草は山上憶良の歌が由来らしい
万葉集の中の山上憶良の次の歌が秋の七草の由来と言われています。
- 秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種の花(『万葉集』巻8-1537)
- 萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花(『万葉集』巻8-1538)
秋の花に「朝がほ」と朝顔が登場しています。現代の朝顔はもちろん夏の花。諸説ありますが、山上憶良の歌った「朝がほ」は朝顔のことではなく、キキョウという説が通説です。
言葉は時代の流れで変化します。現代のキキョウを当時は”あさがほ”と言っていた可能性は高いでしょう。
秋の七草の咲く時期としては、現代の9月中旬から月末までの期間です。
秋の七草は子々孫々受け継ぐことが望まれた花花
山上憶良は奈良時代初期の貴族です。
令和の現代でも有名とされている所以は、貧困な農民をやさしいまなざしで詠んだ歌や、当時としては異色の社会派歌人であったため、幅広いひとびとの琴線に触れる歌が残っているからなのでしょう。
山上憶良の秋の七草の歌は、目前に子供があるときに子を思って詠われています。自分の子ではなく、子の世代、子々孫々へ未来の人々に詠った歌なのです。なぜなのか?
秋の七草の薬効とは?
ミエルさんは、薬効ある役立つ花を身近に利用して闊達な子孫の繁栄を願って詠ったのではないか?と考えました。未来の日本人を思って詠ったのが秋の七草。
では、その七草の効果・効能とはどのようなものなのでしょうか?
秋の七草 | 薬効 |
萩 | 鎮咳、止咳、去痰、抗菌など。根は、婦人病のめまいやのぼせに効果。 |
ススキ | 根茎に利尿作用がある。薬効はないとしている場合もあります。 |
葛(くず) | 発汗、解熱、鎮痛薬。筋肉の緊張をとる作用があり、肩こりにも応用。ねちがいなどにも有効。葛根湯という風邪薬の成分の1つ。クズ湯はミエルさんのかぜ予防習慣です。 |
撫子(なでしこ) | 清熱,利尿,駆瘀血(血流促進),通経作用があり,膀胱炎,排尿障害,尿路結石など,主に泌尿器系疾患に効果的。 |
女郎花(オミナエシ) | 通経薬(月経不順)。かぜの解熱剤。婦人のめまい・のぼせに効く。 |
藤袴(フジバカマ) | かゆみ。 |
桔梗(キキョウ) | 鎮咳、去痰、排膿作用があり、咳止め、咽の痛み気管支炎、扁桃腺炎、化膿性のはれ物に効果。 |
女性に効果の高い薬効が多い様に感じました。子孫繁栄のためには女性が元気である必要があったからなのでしょう。
七草ってなぜ? 七なの?
八草でも六草でも五草でも三草でもありません。七に特別な意味があるのでしょうか?
今回調べてみて、古来の日本では七という数字に特別な意味があったのだと推測しました。
山上憶良は「七」という数にこだわった。そのことについて、中国の文化や思想、また仏教の「七」を大切な数、めでたい数と考えていたことに影響を受けている、という説もあります。
山上憶良の歌には苦をテーマにしているものが多い。仏教の「七宝」が由来なのではなかな?と思います。
仏教のいう七宝は、七種(ななくさ)の宝といいます。具体的には、「金、銀、瑠璃、玻璃、硨磲、珊瑚、瑪瑙
日本の宝は子らなのだというのが山上憶良の歌の隠喩にあるのでしょう。
初期仏教でいう”七宝”がしっくりする
日本は大乗仏教が盛んです。神道信者さんもキリスト教で洗礼を受けている方々も多い。わたくしミエルさんは、はじめて海外旅行するにあたりパスポートや入国審査書で記入するときに、宗教の欄には「仏教」としてきました。
自覚的に仏教信者ではなかったけれど、海外から見た場合には明らかに仏教徒に見えるだろうな?と判断したからです。祖父母の家には仏壇があり、お盆には墓参りをし、葬式は仏式だったからです。
話しを戻します。
初期仏教(上座部仏教=テーラワーダ仏教)とは日本の教科書では小乗仏教と言われています。ミエルさんは、お釈迦さま本来の言葉や教えが知りたくなり調べて今でも近くに置きながら生活しています。
初期仏教の経典は日本の仏教経典とはだいぶ違います。理論的でわかりやすいのが特徴です。
あなたもミエルも転生を繰り返している。宇宙の大きな流れを生きています。生老病死の人生で、初期仏教経典は、生きる上で役立つ言葉に満ちています。
七宝とは、お釈迦様直々の言葉を受け取る好機のこと
テーラワーダ仏教(初期仏教=上座部仏教)の公式ページにはこうあります。
お釈迦様は、スーパースターのような存在では無かったのです。気楽に言葉をかけやすい、悩みごとを言いやすい、質問しやすい、教えてくださいと頼みやすい存在だったのです。微笑みが絶えない存在だったのです。お釈迦様に叱られても、叱られた方は「自分に七宝が降り注いだ」と有り難く思ったのです。 引用:テーラワーダ仏教協会の公式サイトより
さらに。
ミエルさんは、七を仏教的にみたとき、どうしても預流果 ( 見道のそれらの煩悩を断じ終って、もはや地獄、餓鬼、畜生の三悪道に堕ちることがなくなる状態)に至ります。
現代でも伝承されている初期仏教でいう預流果という境地に実践をして到達すると、最大七回の転生後解脱するのです。
これは言い伝えや信仰ではない真理です。山上憶良の七草の七と預流果の七回転生を携えて感じ取ると感慨もひとしお。
秋の七草ってどんななの? まとめ ポイント7つ
- 秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウの7つ)。
- 秋の七草は万葉集の山上憶良の一首が由来のよう。
- 秋の七草の咲く時期としては、現代の9月中旬から月末。
- 子をおもい詠われたのが、山上憶良の秋の七草。
- 秋の七草には薬効がたくさんある!
- なぜ? 七なの? 仏教の七宝から来ている可能性はある。
- 預流果 ( 見道のそれらの煩悩を断じ終って、もはや地獄、餓鬼、畜生の三悪道に堕ちることがなくなる状態)になると七回の転生で解脱するので、そんな意味合いで七草を感じるのも良いでしょう。
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